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マテリアルリサイクル事業


食品廃棄物をカーボン素材に!

触媒を活かしたマテリアルリサイクルとは
「マテリアルリサイクル」とは、廃棄物を製品原料として再利用することです。
弊社は、静岡県浜松市内でカット野菜製造の事業を行っています。様々な種類の野菜の皮、人参のヘタ、キャベツを覆う固い葉など1日3t前後の残さ物が発生していく中で“ゴミ”ではなく“資源”として活用する方向性について情報を探していたところ、食品残さ物からカーボン素材を生み出し、“バイオマスカーボン”として日本や世界に流通させる技術があると知りこのたび本格的に事業化することとなりました。

「12つかう責任、つくる責任」
SDGsにも謳われている通り、世界中が食品ロスをゼロにする方向に向かっている今、食品製造に携わっている弊社にも大きな“社会的責任”があります。現在排出する残さ物は、もともとは安全性の高い「野菜」という有機物であり、リサイクル可能な「資源」でもあります。

“かすみ触媒”を活用した炭化処理技術の採用

かすみ触媒(有限会社英商事社製)を活用
①現在の食品残さの主流な分解方法

現在、食品残さなど(有機物)の分解処理方法として、微生物が有機物を酸化分解する方法(微生物分解)と、有機物の炭化を目的とした熱分解処理方法等が行われています。しかし微生物分解は腐敗分解と呼ばれ、臭気問題や長時間の分解(腐敗)時間が課題です。一方、熱分解処理では空気(酸素)を遮断し600℃前後の高温が必要なため、設備費用が高くなる上、稼動経費も高くなる問題があります。食品残さは一般に可燃物として焼却されているのが現状でもあり、この方法にも臭気や温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量の問題が挙げられます。
②かすみ触媒の特長

そこで、“かすみ触媒”の出番です。すべての有機物に触媒を接触させることで化学反応(分解炭化反応)が起こり粉末炭素に変化していきます。主に以下の3つの特長があります。
  1. 常温では働かず、約80℃以上の温度で触媒作用を発揮するように調整してあるため、常温では手で触れても安全であること
  2. 粒形、粒の大きさ、材質など、反応装置や分解炭化対象物に対応した多種類の触媒の製造が可能であること
  3. 低温での化学反応であるため、二酸化炭素(CO2)ダイオキシンの発生が無いこと
低温処理炭素化装置「炭吉」(株式会社永吉社製)を導入し、カーボン生成環境を構築
低温処理炭素化装置「炭吉」を導入して炭化処理を行います。同装置は、食品加工で生じた残さを独自技術で粉砕、低温加熱(約80~160°C)し、“かすみ触媒”と混ぜ合わせることで有機化合物を炭化させる装置です。
CO2を出さずに処理を行うため、企業にも環境にもよりよいサイクル。無駄なくコスト低減を図ることができます。

カーボンの流通販売体制構築

当社では仕入れた野菜のカット時に発生する残さ物を以下のフローでリサイクルカーボンへと生まれ変わらせていきます。

将来展望

農業分野への活用
~自社オリジナル土壌改良剤を開発し、農業に貢献したい~

大量廃棄していた食品残さ物が「炭」という優秀な資源に生まれ変わり、その利用促進は地球環境保護につながります。消費者に食を提供する弊社の使命は日本の根深い課題の「食料自給率の向上」に向けて国産食材を笑顔で食べることができる環境づくりです。
2022年6月時点で、肥料価格が90%以上も高騰し、農業者を大いに苦しめています。本事業では、精製カーボンを使った自社オリジナルの「食品残さ物から生まれた土壌改良剤」を開発し、それを契約農家の栽培に活かし、結果的に弊社ブランド農作物として出荷するサイクルをつくることが目標です。この土壌改良剤を使用することで土が強化され、ミネラル分が豊富な作物の生産につながり、上図のような好循環を生み出すことで、食品ロスゼロの後押しやカーボンニュートラルにも応えることが可能となります。
工業分野への活用
~宇宙産業、航空、高性能自動車関連等、カーボン素材の可能性は無限大~

前述した通り、カーボンは精製の回数を増やすことで炭素の成分が増えたり、より強度が増すなどの効果が現れ、素材としての価値が高まるという特性を持っています。左図の通り、人工衛星をはじめとする宇宙産業のブースターケース、航空機の尾翼やレーシング車の軽量化などにカーボンは欠かせない素材となっています。
現在は、石油由来のカーボンが主流ではありますが、SDGsの考え方が普及している昨今において、地球環境に負荷を掛ける素材はますます敬遠される傾向にあります。近い将来に向けて、食材由来のバイオマスカーボンの注目度は高まるでしょうし、それを利用して誕生した人工衛星などは、世間からの注目を集めるに違いありませんし、そうなるように弊社としても情報発信や営業努力を続ける所存です。